昔は卵は1日1個までと常識のようにいわれてきたため、それを守っている人も多いと思いますが、最近の研究では体内でコレステロールを合成する量や使われ方には個人差があり、遺伝も影響します。卵とコレステロールの関係は人によって個人差があり、コレステロールを食事でどれくらいとるべきかは、人によって違います。
また、卵は血液中のコレステロール値に影響しないという報告もあります。これは、卵黄に含まれるレシチンに、LDL(悪玉)コレステロールを減らして、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあるからです。善玉コレステロールと悪玉コレステロールの比率が最近では重要視されています。
善玉コレステロールを増やすには禁煙、バランスのとれた食事(青魚をよく食べるといい)、悪玉コレステロールを減らすには適度な運動、体重管理が重要です。比率が高いと血管が詰まりやすくなり、脳の血管が詰まると脳梗塞、心臓の血管が詰まると心筋梗塞になります。
ある研究では比率を1.5以下にすると血管がキレイになり、心筋梗塞はほとんど発症してこないという報告がありました。
自分のコレステロールの比率を知っておくことも重要だと思います。
岡部医院院長 岡部誠之介