薬の飲み忘れについて医師間で話をしていたとき、飲み忘れについて認識の違いがあったので、それについて考えてみたいと思います。薬の飲み忘れについて、飲み忘れることがほとんどない、という患者さんは極めて少ないのではないかと私は考えています。
データとしても脳梗塞予防の薬で紹介すると、このデータでは、脳梗塞予防の重要な薬を80%以上飲めている人は1日1回の薬で72.8%、1日2回の薬で67.9%となっています。このデータは医師側からすると、なんでこんなに低いのだろうという印象です。
前述のように、一般的に服薬回数が増えるほど、飲み忘れは増えます。脳梗塞予防のために重要な薬でも、飲み忘れることが起こります。パーキンソン病、筋萎縮症などの神経難病では、飲み忘れが少ないというデータが以前の勉強会で発表されていました。生活習慣病など自覚症状のない病気の薬の飲み忘れはかなり多いというデータもあります。
また、代表的な生活習慣病である糖尿病では、平均して年間8%の患者さんが受診を中断すると推定されています(「糖尿病受診中断対策包括ガイド」作成ワーキンググループより)。薬の飲み忘れ、生活習慣病の受診の中断について、相手の立場に立って診療をしていく必要があると考えています。
岡部医院院長 岡部誠之介
2018年03月06日
薬の飲み忘れについて(犬山市 内科 岡部医院)
posted by okabeiin at 08:33| 岡部医院