2018年10月29日

医療健康行動についての研究

医療健康行動に関する行動経済学の本を読んでいますが、なかなか面白いです。
毎日、外来をやっていると同じ内容の事でも、言葉一つで相手の受け取り方が違うというのを感じる事があります。

簡単にいうと
1%の確率で副作用が発生するものについて
「1%の確率で副作用が起こるといわれています」
「100人中99人には副作用が起こらないといわれています」
では同じ事を言っているのに、後者の方が副作用の危険性を小さく感じるといわれています。

当たり前だと思う方もいると思いますが、ではなぜ人々はそう感じやすいのかを考えてみるのが重要だと私は考えます。

まず、主観的確率と客観的確率の乖離から、人は小さな数字であっても、実際より発生率が高いように感じてしまう事があるようです。

このようなリスクへの態度に関する人々の意思決定の特徴を示したものがプロスペクト理論と呼ばれています。

これを実際の診療に少し応用すると、高血圧、糖尿病の患者さんは診療を自己中断してしまう患者さんが10%程度いるといわれています。

自己中断してしまう理由にはいろいろあると思いますが、将来起こりうる健康リスクを過小評価、現状は特に何も症状がないから大丈夫だろうという現在バイアスと通院が時間的、金銭的に損失と考えてしまう損失回避が関係していると思います。

診療を自己中断してしまい、病状の悪化、脳卒中、心筋梗塞などが発生すると本人も辛いですし、医療費も大きなものになり、日本の保険システムでは社会全体の負担が大きくなります。自己責任論だけでは無いと考えられるのではないでしょうか。

そこで何をするか考えてみました。
例えば次回の予約日を印刷して渡す、血液検査データ、受診時の血圧をグラフにして渡すなどは、自己中断率を下げるのではないかと考えました。
岡部医院院長 岡部誠之介
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posted by okabeiin at 12:21| 岡部医院