高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は初期にも進行してからも自覚症状がほとんどないことが多いです。自覚症状はないけど、血液検査で異常があるといわれた、おかしいと訴える患者さんがいます。
血液検査は客観的な検査ですから、数回検査をして異常値であれば、それは異常と考えたほうが自然でしょう。
自覚症状だけで健康の有無が決まるものではなく、悪性腫瘍の初期も自覚症状はありません。上記のような状態は客観的な検査、診察で異常はあるけど、自覚症状はない状態というのが正しい認識であると考えます。
検査をすると病気が発見されるから、嫌いだという患者さんもいますが、それは論理の逆転が起きているのだと考えます。病気だから検査をすると異常がでる、結果として病気と診断されるのだと考えます。
自覚症状がなくても、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は治療、フォローはしていったほうが良いでしょう。検査をしたくない、検査結果を認めたくない、薬は飲みたくないという気持ちも理解できますので、病気にもよりますが、1か月後にもう一度調べるなど、フォローをすることをお勧めします。
先延ばしにするとしても期間を決めることが大事だと考えます。上記のような病気で自覚症状が出てくるときには、かなり進行している状態ということがあります。
特に高血圧、糖尿病を指摘されたけど何もしていない、放置しているのだけは止めてください。それらにより起きた合併症、特に動脈硬化、慢性腎臓病、微小脳梗塞などは現在の医療では治療はできません。
脳卒中による麻痺、心筋梗塞による心臓の機能の低下も現在の医療では治療することができません。何とかならないのかと相談を受けることがあるのですが、これ以上悪くならないようにしましょうとしか答えようがありません。
企業健診、職場健診などでも、健診をするだけではなくて、異常が指摘された人はしっかりとフォローをしていく必要があります。企業検診で数年前から高血圧、糖尿病を指摘されているが、何もしていないという人をみると本人、企業は何をしているのだろうかと考えてしまいます。
高血圧、糖尿病を一度でも指摘されたことがある人はしっかりと医療のフォローを受けることを推奨します。自分で根拠もなしに俺は大丈夫だとか、健康食品などに頼るのは止めた方がよいでしょう。なぜなら、日本では健康保険を使えば、だれでもすぐに3割負担で一定水準以上の医療を受けることができるからです。
岡部医院院長 岡部誠之介
2019年02月06日
生活習慣病の症状(犬山市 内科 岡部医院)
posted by okabeiin at 08:45| 高血圧