2021年10月02日

男性型脱毛症(AGA)について AGAは治療により、症状の進行予防、改善ができる時代に

男性型脱毛症(AGA)に遺伝が関係していることは、はっきりしています。
特に母方家系の影響が大きいことが分かってきています。
これは男性ホルモンの働きのよるものとされています。

家系に全くAGAの方がいない人は、AGAになることはほとんどありません。
逆にAGAの方がいれば、将来、AGAになる可能性が高いです。

現在は男性ホルモンがどのようにAGAにかかわってきているかが、科学的に解明されています。

男性ホルモンの一種であるテストステロンは酵素の働きによって、ジヒドロステロン(DHT)に変化します。このDHTという物質がAGAの原因、悪の根源です。

男性ホルモンの一種のDHTは前頭部、頭頂部の髪の毛を薄くする一方で、体毛やひげを濃くすることが分かってきています。DHTは部位によって働き方が違います。

DHTは細胞内で受容体と結合すると、ひげには発育を促すシグナル、髪の毛には発育を抑制するシグナルを出します。遺伝の関与はこの受容体にあることまで分かってきています。

2005年12月にAGA治療薬として商品名:プロペシア(フィナステリド)が発売、この薬は男性ホルモンをDHTに変化させる酵素を阻害して、DHTの産生を減少させます。
DHTの産生減少により、髪の毛の発育を抑制するシグナルを出させないようにして、髪の毛が十分に育つ環境を作ることで、AGAの進行を抑えることができます。この薬の登場でAGA治療を大きく前に進むことになりました。

また、2016年には同じ酵素を阻害する薬として、デュタステリドという薬も発売されました。
他にも、フィナステリドの後発品も登場して値段もお手頃になってきました。
それによりAGA治療をするクリニックも増加、AGA診療を受ける方も増えてきています。

岡部医院でもここ数年でAGA診療を受けられる患者さんは増加傾向です。
AGAは治療により、症状改善が期待できる時代です。

AGA治療を始めて1年ぐらい経過した患者さんが抜け毛が減った、進行が止まったと喜ばれる方が多いです。保険診療でも自費診療でも患者さんに感謝をされるのは医師としてやりがいがあります。

科学的にもDHTという物質がAGAの原因、悪の根源なので、それを抑える薬を使って効果が出るというのはもっともなことです。逆にDHTにアプローチをしないAGA治療というのは非科学的で意味のない事なので止めておいた方が良いでしょう。整体やマッサージでAGAが改善することはありません。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 09:43| AGA(男性型脱毛症)