2021年12月06日

Aデュタステリドについて ガイドラインより抜粋

推奨度:A(男性型脱毛症)、D(女性型脱毛症)
推奨文:男性型脱毛症にはデュタステリド内服を行うよう強く勧める(推奨度A)
一方、女性型脱毛症には行うべきではない.

症例数が最も多い本邦を含めた国際臨床試験で,
デュタステリド 0.5 mg/日とフィナステリド1 mg/日を用いた,917名の男性被験者を対象とした観察期間 6カ月のランダム化比較試験において、全毛髪数と毛直径の増加についてはデュタステリドの方が優れた効果を示したが,直径 60 μm 以上の硬毛数では両者間に有意な差がなかった.

さらに,頭頂部および前頭部の写真評価のため,著明悪化−3 から著明改善+3の 7 ポイントスコアリングが行われ,治験担当者のスコアリングでは両群間に有意な差はなかったが,3 名のエキスパートパネルによる評価ではデュタステリドの方が優れた効果を示した.
しかし,その点数差は頭頂部では 0.14,前頭部では 0.24 とわずかなものであった.したがって,両者の効果差については今後さらなる検討を要する.

国内で実施されたデュタステリド 0.5 mg/日を用いた,120 名の男性被験者を対象とした観察期間 52 週間の非ランダム化試験において,
直径 30 μm 以上の非軟毛数,硬毛数,非軟毛直径が 52 週に各々 13.5/cm2,15.2/cm2,6.5 nm 増加した.
皮膚科医のパネル 3 名による頭頂の写真評価(7 ポイントスコアリング)では,
26 週に 1.34,52 週に 1.50 といずれもベースラインより有意に毛量が増加した.
しかし,26週から 52 週にかけて有意な改善があったかどうかは統計学的に明らかではない.

デュタステリドの副作用に関して,前述の国際臨床試験において37)
有害事象頻度はリビドー減少 3.3%,インポテンツ 5.4%,射精障害 3.3%,
韓国の 712 例,平均観察期間 204.7 日の市販後調査39)では
リビドー減少 1.3%,インポテンツ 1%,射精障害 0.1%であった.

他方,前述の国内非ランダム化試験(120 例,52 週
間)38)では,リビドー減少 8.3%,インポテンツ 11.7%,射精障害 5.0%と比較的高率であった。

以上より,投与にあたっては添付文書の記載をよく読んだ上で,性機能障害を含めた副作用についても十分な説明と同意が必要である。

また,デュタステリドを投与中の男性型脱毛症患者において,前立腺癌診断の目的で血清PSA 濃度を測定する場合は,2 倍した値を目安として評価すべきである.
さらに,フィナステリド同様,妊婦に投与すると DHTの低下により男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがあり女性への投与は禁忌である.

以上のように,男性型脱毛症に対するデュタステリド内服の発毛効果に関して,高い水準の根拠があるので,内服療法を行うよう強く勧める.他方,女性型脱毛症には内服療法を行うべきではない.

とガイドラインに記載されています。

薬理学的な違いとしては
フィナステリドとデュタステリドの違いは
AGAの原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の産生を
フィナステリドは2型5α還元酵素だけを阻害して産生を抑制する
デュタステリドは1型と2型の両方を阻害して産生を抑制する
という違いがあります。

また、デュタステリドは血中の半減期が長いので、薬の成分が長く血中に残ります。
それらが効果の違いとして表れているのだと考えます。

阻害する酵素の違いにより、DHTの産生を抑制に違いがでるのですが、だからフィナステリドはデュタステリドの半分しか効果がないということではないです。
実臨床ではそこまで大きな差は報告はされていません。

実際にデュタステリドの内服を検討する症例としては
・35歳以上の方
・進行度が3型以上の方
・フィナステリドで治療をしていて、もっと治療を強化したい方
などがフィナステリドからのデュタステリドへの切り替えを考えても良い症例だと思います。
岡部医院院長 岡部誠之介
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posted by okabeiin at 09:40| 岡部医院