2023年12月21日

コレステロールを多く含む食品として、もっともよく知られているのは卵です。

2017年のブログ記事より

コレステロールを多く含む食品として、もっともよく知られているのは卵です。
鶏卵1個には210mgのコレステロールが含まれていて、確かに多いです。

昔は卵は1日1個までと常識のようにいわれてきたため、それを守っている人も多いと思いますが、最近の研究では体内でコレステロールを合成する量や使われ方には個人差があり、遺伝も影響します。
卵とコレステロールの関係は人によって個人差があり、コレステロールを食事でどれくらいとるべきかは、人によって違います。

また、卵は血液中のコレステロール値に影響しないという報告もあります。これは、卵黄に含まれるレシチンに、LDL(悪玉)コレステロールを減らして、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあるからです。善玉コレステロールと悪玉コレステロールの比率が最近では重要視されています。

善玉コレステロールを増やすには禁煙、バランスのとれた食事(青魚をよく食べるといい)、悪玉コレステロールを減らすには適度な運動、体重管理が重要です。比率が高いと血管が詰まりやすくなり、脳の血管が詰まると脳梗塞、心臓の血管が詰まると心筋梗塞になります。

ある研究では比率を1.5以下にすると血管がキレイになり、心筋梗塞はほとんど発症してこないという報告がありました。
自分のコレステロールの比率を知っておくことも重要だと思います。

以上の事から卵の量を減らせば大丈夫ということではなく、採血で経過をみながら運動療法、薬物療法を検討することを推奨します。

コレステロールが高いから卵は1日1個までという指導を受けたなら、それはあまり正しくない指導であると言えます。
posted by okabeiin at 10:39| 岡部医院