2024年05月13日

日本医師会生涯教育講座に漢方治療の講座がありました

日本医師会生涯教育講座に漢方治療の講座がありました。

問題として下記の問題がありました。
考えてみましょう。

57歳の女性。食欲がなくて体重が減ってきたために来院した。
10年前に子宮摘出術を受けてから食が細くなり、少し食べただけでもすぐに満腹になって胃がもたれるようになった。
体重はこの1年間で3kg減って疲れやすくなった。
精密検査では異常を認めない。
身長158 cm、体重45 kg、血圧102/64mmHg。心窩部に軽い抵抗と振水音を認める。下肢は冷えるが浮腫はない。 最も適切な漢方薬はどれか。

真武湯
大建中湯
六君子湯
柴胡桂枝湯
半夏瀉心湯

これはいわゆる
食欲はないと書いてありますが、
実際には少し食べると満腹感がでるタイプのもので、まったく食べる気力が起きていないわけではないです。

体重減少があるが、精密検査で異常がないというのもポイントです。
精密検査をちゃんとして、悪性腫瘍なども否定しておきたいです。

典型的なツムラ43六君子湯を使いたくなる症例であります。
正解は六君子湯でした。

六君子湯で上手くいけばいいですが
うまくいかなかった時には

患者さんと相談、状態の変化を確認して
補中益気湯
柴胡桂枝湯
香蘇散
当帰芍薬散
なども使ってみるかなと考えます。
posted by okabeiin at 10:29| 岡部医院