2019年08月23日

ガン診療と漢方(犬山市 内科 漢方)

直接ガンに有効な漢方薬はありませんが、気力体力をつける漢方薬はあります。
いろいろな訴えが少しでも楽になれば何より
と考えて漢方薬を処方します。

西洋医学と併用することもできますし、邪魔をすることもありません。
副作用や身体に合わないという事もありますが、その時は中止すれば問題ありません。

在宅診療で高齢の直腸がんの進行期の患者さんを診療しているときに肺転移、胸水貯留もあったので人参養栄湯を処方しました。

人参養栄湯は肺転移を伴うがん、肺がんなどで症状が緩和されるといわれています。
ガンを治すわけではありません。

そして、最終段階、最後まで元気にというときには真武湯、人参湯を使います。
この患者さんでは人参養栄湯、真武湯を最後に併用しました。

この患者さんは比較的穏やかに生活をされていましたし、診断後もデイサービスに通っていました。
薬も漢方と痛み止めを少し使う程度で最後まで診療させていただきました。

他にも貧血などが予想される場合には十全大補湯を使用します。
人参養栄湯と十全大補湯には地黄が入っているので、稀に胃を刺激して食欲不振になることがあるのでその時は中止する必要があります。

浮腫が気になる場合には五苓散を使用します。

食欲不振は
食事を食べる気が起きない場合は補中益気湯
食べる気はあるけど入っていかないときは六君子湯
を使用します。

漢方薬の知識、使用経験があって、甘草による副作用が気になる場合には、甘草がどれぐらい入っているかなどが分かっていれば、ほとんど安全に漢方薬は使用することができます。
また、漢方の量についても1日1包で良い場合もありますし、1日3回絶対に飲まないといけないものではないと考えています。

他にも患者さんの話を良くきくことも重要です。
漢方は前に処方してもらったけど嫌いだという患者さんがいました。
話を聞くと大建中湯が合わなかったようです。大建中湯はピリッとする味で山椒が入ってます。

山椒は嫌いですか?と聞いたら
山椒は大嫌いと言っていました。

山椒が嫌いに人に大建中湯が合うわけないですね。
山椒の入ってない漢方は処方したら、これは飲みやすいと喜ばれました。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 16:03| 漢方内科

2018年11月20日

漢方薬の飲み方(犬山市 内科 漢方)

漢方薬は苦い、飲みにくいという印象があると思いますが実際に自分で飲んでみるとそれぞれ味が違うので飲みやすい、飲みにくいは個人によって差があります。食べ物の好き嫌いと同じです。

粉の薬が飲めないという方は錠剤の漢方を処方してみる、葛根湯、補中益気湯などのように〜湯とつくものはお湯に溶かして飲むなどが対処法として考えられます。

また、小児だとはちみつに混ぜて飲むと飲みやすくなると思います、ただし、はちみつは生もので一歳未満の赤ちゃんには与えてはいけません。注意をしてください。繰り返しになりますが、1歳未満の赤ちゃんにはちみつは与えないでください。

それでも漢方は苦手、飲めないという方はいますので、そういう方には漢方は処方せずに他の薬を使います。

生薬の里を訪問した時に、奈良県の国産天然はちみつを購入しました。横田養蜂場という所で作られているようです。この地域で作られたはちみつと漢方の組み合わせは何となく良さそうだと考えました。
岡部医院院長 岡部誠之介
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2018年11月19日

生薬の里を訪問(内科 漢方 犬山市 岡部医院)

奈良県大宇陀にある「薬の館」に行ってきました。

薬問屋を商っていた細川家の屋敷を改修して利用した資料館で、昔の面影が残る歴史的町並みにあります。屋敷は江戸時代末期の建造物。細川家は文化3(1806)年から代々薬問屋を営んできた家柄で、館内には細川家の資料や藤沢薬品に関する資料が展示してあります。細川家は、藤沢薬品工業(株)(現アステラス製薬(株))の創始者・藤澤友吉(ともきち)の母方の実家でもあります。

また、宇陀市は『薬の町』としても知られていて、上記の藤沢薬品工業(アステラス製薬)創業者の藤沢友吉をはじめ、ロート製薬創業者である山田安民、ツムラ創業者の津村重舎、笹岡薬品創業者の笹岡省三は宇陀市の出身です。

他にも柿本人麻呂の歌で有名なこの街は狩場だったことや薬草がとれる場所だったそうです。江戸時代には天領となり商業地として栄えていた場所でもありました。

この地方でとれた生薬の当帰は大和当帰と呼ばれ、良品とされました。当帰は当帰芍薬散、加味逍遥散、補中益気湯などに使われる生薬です。華岡青洲が全身麻酔に使った「通仙散」にも当帰が使われていたとされてます。

ちなみに当帰の名の由来は諸説ありますが、嫁が当帰を服用して元気になり、夫(婚家)に「まさ(当)に帰る」ことができたというのが語源という話があります。

また、この地方は吉野葛の産地でもあり、葛も生薬の「葛根」として葛根湯に使われています。和名の由来は大和(奈良県)の国栖(くず)地方の人がでんぷんを採取し、売り歩いたことによるとされています。

この地方には大和水銀鉱山があり、水銀も採取されていたようです。今では考えられない話ですが、昔は水銀が薬として使われていました。とても考えられない事です。しかしながら、現代医学の立ち位置を参照点として、過去の医学をみて批判をするのは容易いことで、過去の医師達はより情報、薬も少ない中で,
その時々で病気を治したい、患者さんを良くしたいと一生懸命だったと考えられます。

これらの生薬などが古来より医学の中心であった京都に入り、名医達が使用していたのだと考えられます。吉益東洞もこの地方から生薬を取り寄せて、漢方の処方をしていたのだろうと、思いを馳せながら古い町並みを散策しました。
岡部医院院長 岡部誠之介
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吉益東洞(よします とうどう)の墓を訪ねる(犬山市 漢方 内科 岡部医院)

先日、吉益東洞の墓を訪ねてきました。

東洞は1702年に安芸国山口町(広島市中区橋本町付近)に生まれ、1773年に京都で没した。東洞は19歳より刀傷を治す外科医、産科を学んだ。37歳の時に、家族を連れて上京したが、医業は振るわず、借家住まいで貧困極まり、人形造り、鉢皿を焼く内職をしていました。

44歳の時に、ある商人の病気の老母に処方されていた薬を正したところ、それを処方していた宮廷侍医山脇東洋がそれを称賛、東洞の処方を称揚し世に広めました。その後、東洞の医業は大いに繁盛し、大名からも往診を依頼されるようになりました。

東洞は目に見えないものは一切、相手にしない、目で見ることのできないものは医の対象にならないと訴えて、それまでの既成概念、伝統を無視した理論を唱えていました。

この時代にこのようなことを唱えるのはすごい事で、要は今日の医学と同じように、実証できないものを否定したのです。これにより、日本の医学が少し立ち止まって考える事になり、当時長崎から経由してもたらされたオランダ医学(蘭方)の移入が容易になったと考えられています。

「漢方」という言葉はもともとあったわけではなく、江戸時代にオランダから日本に伝わった西洋医学を「蘭方」と呼んでいたのですが、それと区別するために日本で独自に発展してきた医学を「漢方」と呼ぶようになったと言われています。

お墓は東福寺の南端の荘厳院にあります。東福寺は京都屈指の紅葉名所で混雑するということでしたが、早朝に散歩するとほとんど人はおらず、良い散歩ができました。

ちなみに、ツムラ122排膿散及湯は吉益東洞の創方した漢方とされており、岡部医院でも使うことがあります。文字通り皮膚のできものなど、膿をだす効果を期待して処方します。乳腺炎、歯周病などにも効果が期待できると考えています。

岡部医院院長 岡部誠之介
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2018年09月20日

漢方という名前の由来(犬山市 内科 漢方)

漢方という名前は江戸時代についた名前です。
その頃には中国由来の医学が日本で独自に発展していましたが、特に名前などはありませんでした。

日本は鎖国の時代でオランダから西洋医学が入ってきて、それを蘭方と呼んでいました。
蘭方と日本独自の医学を分けるために、日本独自の医学を漢方という名前がつけられました。

日本の漢方医学は日本独自のものといってよいでしょう。
また、日本では西洋医学を学んだ医師が漢方の処方ができるので診断は西洋医学、症状の緩和に西洋医学が効果がないときに、漢方薬を使う事ができます。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 20:00| 漢方内科