糖尿病と非アルコール性脂肪肝(NASH)の勉強会に行ってきました。
脂肪肝とは肝臓に脂肪がたまる病気で、近年はアルコールを飲まない人の脂肪肝(NASH)の中に肝硬変、肝細胞癌が発生することが分かってきました。
遺伝子によって、肝硬変、肝細胞癌になりやすいタイプがあるという話でした。脂肪肝、肝硬変の家族歴のある人は特に注意が必要でしょう。
今後も世界中で脂肪肝の患者さんが増加していくことが予測されます。
脂肪肝と脂質異常症、脂肪肝と糖尿病が合併している場合の治療薬の選択には、両者に効果のある薬を選択するケースもあります。
脂肪肝に対して様々な薬が開発されている話も話題になりました。糖尿病もこの10年で新しい薬が多く出てきました。治療が明らかに10年前より進化していきています。脂肪肝の治療も変わっていく可能性が高いと予想されます。
岡部医院院長 岡部誠之介
2019年03月17日
糖尿病、脂肪肝の勉強会にいってきました
posted by okabeiin at 11:13| 糖尿病
2019年03月09日
糖尿病について(犬山市 内科 糖尿病)
糖尿病の患者さんを診療、治療する事が増えてきています。
糖尿病は薬を飲むだけで治るという病気ではありません。食事療法、運動療法をしっかりと続ける必要があります。最新の糖尿病の薬で、糖分を尿から排出して、血糖値を下げる薬がありますが、排出された分の糖分を摂取していたら、効果は期待できません。
糖尿病は進行するまで自覚症状がないので、指摘されたけど放置される方、糖尿病と指摘された時には進行している事も稀にあります。まずは、健康診断などで血糖値、HbA1c(過去一か月程度の血糖値の状態を調べる値)を調べてみましょう。
また、糖尿病と診断されたけど治療を中止してしまった、薬を飲むのを止めてしまったという方がいます。そういう時には一度、医院に受診してください。もう一度、現状を調べて、どうしたら良いかを考えてみましょう。
今後も糖尿病の患者さんは増加することが予想されます。糖尿病について、みんなで知識を共有、治療が継続できるような体制づくりに取り組む必要があると考えます。個人だけの問題ではないと考えます。
最近、日本糖尿病協会に入会して、糖尿病についての冊子を読んでいますが、糖尿病についての知識、患者さんへの食事療法、運動療法など詳しく書かれています。患者さんの向けの本だと思いますが、実際の診療にとても役立つ本だと考えます。
岡部医院院長 岡部誠之介
糖尿病は薬を飲むだけで治るという病気ではありません。食事療法、運動療法をしっかりと続ける必要があります。最新の糖尿病の薬で、糖分を尿から排出して、血糖値を下げる薬がありますが、排出された分の糖分を摂取していたら、効果は期待できません。
糖尿病は進行するまで自覚症状がないので、指摘されたけど放置される方、糖尿病と指摘された時には進行している事も稀にあります。まずは、健康診断などで血糖値、HbA1c(過去一か月程度の血糖値の状態を調べる値)を調べてみましょう。
また、糖尿病と診断されたけど治療を中止してしまった、薬を飲むのを止めてしまったという方がいます。そういう時には一度、医院に受診してください。もう一度、現状を調べて、どうしたら良いかを考えてみましょう。
今後も糖尿病の患者さんは増加することが予想されます。糖尿病について、みんなで知識を共有、治療が継続できるような体制づくりに取り組む必要があると考えます。個人だけの問題ではないと考えます。
最近、日本糖尿病協会に入会して、糖尿病についての冊子を読んでいますが、糖尿病についての知識、患者さんへの食事療法、運動療法など詳しく書かれています。患者さんの向けの本だと思いますが、実際の診療にとても役立つ本だと考えます。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 08:07| 糖尿病
2018年06月13日
生活習慣病重症化予防 重点事業の状況報告
先日、医師会で犬山市から重点事業の状況報告を受けました。
その中で特定健診受診率向上に向けたアンケートというものがありました。
男女1000人にアンケートを行い、回収率は21.8%でした。
特定健診未受診者へのアンケート内容をみると、未受診の理由としては
1位 生活習慣病で治療、または定期的な検査を受けているから 33.96%
2位 必要な時は、いつでも医療機関を受診できるから 26.42%
3位 体調が悪くないから 20.75%
という事でした。
予防医療の観点からみると
2,3位の理由は少し問題があると考えてしまいます。
生活習慣病の多くは症状はありません、ゆっくりと合併症が進行して
ある日、心筋梗塞、脳卒中の発症、気づいたら腎機能悪化、認知症という事があります。
とても恐ろしい病気です。
高血圧が原因で脳卒中、麻痺が起きてしまった場合、麻痺を治すことは、現在の医療では困難です。
腎臓の機能も腎臓の機能が低下してしまった場合に、改善する薬は現在はありません。
だからこそ、予防医療が重要です。100%予防できるのかという話になるとそれは無理です。ただ、健診受診をするだけで予防できる病気もあります。
別の調査ではH27年度に
特定健診の受診歴:無し
医療機関への受診歴:無し
という人の割合は犬山市だけで2000人、健診対象者の14.4%という調査があります。
毎年健診を受けることを推奨しますが、何年も健診を受けていない人は、毎年でなくても良いので一回は健診を受けることを推奨します。
また、その時は気になる事はなんでも相談ができて、健診後のケア、治療、精密検査等の紹介をしてくれるかかりつけ医での受診を推奨します。
岡部医院院長 岡部誠之介
その中で特定健診受診率向上に向けたアンケートというものがありました。
男女1000人にアンケートを行い、回収率は21.8%でした。
特定健診未受診者へのアンケート内容をみると、未受診の理由としては
1位 生活習慣病で治療、または定期的な検査を受けているから 33.96%
2位 必要な時は、いつでも医療機関を受診できるから 26.42%
3位 体調が悪くないから 20.75%
という事でした。
予防医療の観点からみると
2,3位の理由は少し問題があると考えてしまいます。
生活習慣病の多くは症状はありません、ゆっくりと合併症が進行して
ある日、心筋梗塞、脳卒中の発症、気づいたら腎機能悪化、認知症という事があります。
とても恐ろしい病気です。
高血圧が原因で脳卒中、麻痺が起きてしまった場合、麻痺を治すことは、現在の医療では困難です。
腎臓の機能も腎臓の機能が低下してしまった場合に、改善する薬は現在はありません。
だからこそ、予防医療が重要です。100%予防できるのかという話になるとそれは無理です。ただ、健診受診をするだけで予防できる病気もあります。
別の調査ではH27年度に
特定健診の受診歴:無し
医療機関への受診歴:無し
という人の割合は犬山市だけで2000人、健診対象者の14.4%という調査があります。
毎年健診を受けることを推奨しますが、何年も健診を受けていない人は、毎年でなくても良いので一回は健診を受けることを推奨します。
また、その時は気になる事はなんでも相談ができて、健診後のケア、治療、精密検査等の紹介をしてくれるかかりつけ医での受診を推奨します。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 11:01| 糖尿病
2018年06月02日
生活習慣病の診療について(高血圧、脂質異常症、糖尿病)
脳梗塞を30年前にやったことがあるけど後遺症等はなく、薬を以前飲んでいたが止めてしまったという患者さんが受診されました。
採血等を行うと糖尿病、脂質異常症があり、高血圧も合併していました。
動脈硬化が進行しているだろうと考えて、血液サラサラの薬を処方、高血圧、脂質異常症、糖尿病は内服治療していましたが、血圧が夏場になると低くなることがあったので血圧の薬は中止、家庭での血圧は120前後なので経過観察としていました。
動脈硬化を測定できる機器を試験導入しているので、測定をしてみるとABIが0.9以下で動脈閉塞が疑われるので、脂質異常症は薬を変更、コレステロールの値をもう少し下げる治療を提案しました。
総合的に診療をするというのは、何科というのはあまり関係なく、診察、採血、検査等から何を順番に治療していくか考えて、患者さんと相談して診療をしていくことです。
上記の患者さんが総合病院等を受診すると、脳外科、糖尿病内科、循環器内科など複数の科を受診することになり、この薬が本当に必要なのか、何がこの患者さんにとって問題なのかが、ぼやけてくることがあります。
岡部医院院長 岡部誠之介
採血等を行うと糖尿病、脂質異常症があり、高血圧も合併していました。
動脈硬化が進行しているだろうと考えて、血液サラサラの薬を処方、高血圧、脂質異常症、糖尿病は内服治療していましたが、血圧が夏場になると低くなることがあったので血圧の薬は中止、家庭での血圧は120前後なので経過観察としていました。
動脈硬化を測定できる機器を試験導入しているので、測定をしてみるとABIが0.9以下で動脈閉塞が疑われるので、脂質異常症は薬を変更、コレステロールの値をもう少し下げる治療を提案しました。
総合的に診療をするというのは、何科というのはあまり関係なく、診察、採血、検査等から何を順番に治療していくか考えて、患者さんと相談して診療をしていくことです。
上記の患者さんが総合病院等を受診すると、脳外科、糖尿病内科、循環器内科など複数の科を受診することになり、この薬が本当に必要なのか、何がこの患者さんにとって問題なのかが、ぼやけてくることがあります。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 09:42| 糖尿病
2018年06月01日
糖尿病のコントロールについて(犬山市 糖尿病 内科)
以前よりも糖尿病の指標であるHbA1cに対して、基準が緩くなってきているのが最近の流れです。米国内科学会(ACP)はいくつかの臨床研究の結果にから、以下のような声明を発表しています。
1 臨床医は2型糖尿病患者の血糖管理目標を個別化すべきである。個別化においては、以下の項目についての議論を基にすべきである。@薬物療法の利益と害、A患者の嗜好、B患者の全身状態や生命予後、C治療の負担、D療養にかかる費用
2 臨床医はほとんどの(薬物療法中の)2型糖尿病患者のHbA1cの管理目標を7%以上8%未満とすべきである。
3 臨床医はHbA1c 6.5%未満の2型糖尿病患者では薬物療法の減量を検討すべきである。
4 臨床医は生命予後が10年未満と思われる以下のような2型糖尿病患者については、治療による利益よりも害が上回るため、HbA1cの目標を設定することを避け、高血糖に関連する自覚症状が最小限になるように治療すべきである。@80歳以上の高齢者、A介護施設入所者、B慢性疾病の合併者(認知症、がん、末期腎不全、重症慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全)
日本でも最近では、薬物療法中の高齢者糖尿病に対しては、HbA1cの管理目標に下限がある治療ガイドが発表されています。ポイントは個別に対応するということです。
薬が複数回飲めない人は、一日一回の薬にする
低血糖の心配がある人、低血糖の副作用の少ない薬にする
最近では週に一回の薬、注射などもあります。認知症、要介護状態の方は画一的に、HbA1c7.0未満を目指す必要はなく、無理のない治療を本人と相談して決めることが重要です。
正直いうと、85歳以上の高齢者に対して薬がどれぐらい効果があって、そのひとの健康寿命を延ばすのかというハッキリとした研究はありません。繰り返しになりますが、個別に対応することが重要です。個別に対応するという事は、総合的にその人を診療するという事です。
糖尿病の薬は新薬、合剤など新発売が続いています。製薬会社の営業も過熱している現状があります。過熱した営業、患者さんへの新薬、合剤等の過量投薬が患者さんにとって、マイナスになる可能性もあります。
岡部医院院長 岡部誠之介
1 臨床医は2型糖尿病患者の血糖管理目標を個別化すべきである。個別化においては、以下の項目についての議論を基にすべきである。@薬物療法の利益と害、A患者の嗜好、B患者の全身状態や生命予後、C治療の負担、D療養にかかる費用
2 臨床医はほとんどの(薬物療法中の)2型糖尿病患者のHbA1cの管理目標を7%以上8%未満とすべきである。
3 臨床医はHbA1c 6.5%未満の2型糖尿病患者では薬物療法の減量を検討すべきである。
4 臨床医は生命予後が10年未満と思われる以下のような2型糖尿病患者については、治療による利益よりも害が上回るため、HbA1cの目標を設定することを避け、高血糖に関連する自覚症状が最小限になるように治療すべきである。@80歳以上の高齢者、A介護施設入所者、B慢性疾病の合併者(認知症、がん、末期腎不全、重症慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全)
日本でも最近では、薬物療法中の高齢者糖尿病に対しては、HbA1cの管理目標に下限がある治療ガイドが発表されています。ポイントは個別に対応するということです。
薬が複数回飲めない人は、一日一回の薬にする
低血糖の心配がある人、低血糖の副作用の少ない薬にする
最近では週に一回の薬、注射などもあります。認知症、要介護状態の方は画一的に、HbA1c7.0未満を目指す必要はなく、無理のない治療を本人と相談して決めることが重要です。
正直いうと、85歳以上の高齢者に対して薬がどれぐらい効果があって、そのひとの健康寿命を延ばすのかというハッキリとした研究はありません。繰り返しになりますが、個別に対応することが重要です。個別に対応するという事は、総合的にその人を診療するという事です。
糖尿病の薬は新薬、合剤など新発売が続いています。製薬会社の営業も過熱している現状があります。過熱した営業、患者さんへの新薬、合剤等の過量投薬が患者さんにとって、マイナスになる可能性もあります。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 17:59| 糖尿病