糖尿病の指標でHbA1cというのが一般的に使われていますがたまにはグリコアルブミン、1,5-AGといった他の糖尿病の指標を測定してみるとまた違った結果が出るので病態の把握に良いのかもしれません。
HbA1cとグリコアルブミン(GA)は、血液中のヘモグロビンとアルブミンが、それぞれ血糖と結合して変化したものの割合を示す検査値で、原理は同じです。血液中のブドウ糖は、いろんなものにへばり付く性質があり、ヘモグロビン(赤血球の中にあるタンパク質)にくっついて変化したものがHbA1cで、アルブミンという血清中のタンパク質にくっついて変化したものが、グリコアルブミン(GA)ということです。
同じ HbA1C値の糖尿病患者さんでも、食後高血糖が頻回にある患者さんの方が、グリコアルブミンが高くなりやすいことが分かっています。つまりはHbA1cの質が分かるのです。特に健診でHbA1c高値などを指摘された方はグリコアルブミンを測定すると、HbA1cの質が分かるので今後の食事運動療法の参考になります。
また、話は変わりますが糖尿病治療において週に一回のGLP-1製剤の注射薬というのがありますと以前にブログに書きました。使いやすく、効果も大きいので使用している患者さんが増えてきています。肝機能障害、腎機能障害のある患者さんでも使うことができるので高齢者の方にも安全に使えます。単剤ならば低血糖の心配もほぼないです。
最近の研究でGLP-1製剤の一部にはパーキンソン病の運動能力が改善するという報告がLancetという有名な医学雑誌に発表されたそうです。まだまだGLP-1製剤は可能性を秘めているのではないでしょうか。
実際に患者さんが飲み薬が減った、採血検査が良くなった、低血糖の心配がなくなったと喜んでいる姿をみるとこういう患者さんの為になる薬はどんどん研究、開発、販売してほしいなと思います。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 10:54|
糖尿病