2018年08月17日

高齢者への睡眠薬投与(犬山市 内科 睡眠)

睡眠薬にもいろいろ種類はありますが中には依存性が高いもの、脱力作用のあるものがあります。高齢者でこれらの薬を何種類も飲んでいると明らかに転倒のリスクが増えます。

何となくボーっとしていると家族の人に指摘されて受診してよく調べてみる、ハルシオン、レンドルミン、リーゼ、コンスタンと四種類も睡眠薬、安定剤を飲んでいる方がいました。これだけ飲んでいれば私でも日中ボーっとして転倒してしまうでしょう。

また、90歳以上で認知機能低下、ベッド上での生活がほとんどの人に睡眠薬を通常量処方するなどは本当に必要な処方なのでしょうか。睡眠薬の副作用で認知機能低下、不穏になることがあります。

他にも眠れないからたくさん薬を飲むというのは間違っていると思います。睡眠時間は年齢とともに短くなり80歳ぐらいでは平均4,5時間といわれています。

熟睡感も若いときと比べると物足りないかもしれません。これは生理現象なので、それを薬で無理に眠らせるのは不自然だと考えます。今は依存性の少ない薬、転倒の危険の少ない薬も多く出ていますので、そういった薬を選択した方がよいでしょう。

また、自分が健康、良い睡眠のためにやれることをやっていますか?
禁煙、節酒(アルコールは睡眠の質を悪くします)、適度な運動、寝る前に食事を食べない、寝る前に携帯、パソコンは控える、電気は暗くするなど。良い睡眠のための準備もとても重要です。
睡眠は向こうからやってくるもの、追いかけすぎないのも重要なポイントです。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 16:03| 不眠症