2019年03月02日

産業医講習会(犬山市 内科 産業医)

産業医講習会に出席、有機溶剤について勉強してきました。
有機溶剤は様々な職場で溶剤として塗装、洗浄、印刷等の作業に幅広く使用されています。
揮発性が高いので作業者の呼吸を通じて体内に吸収されたすく、脂溶性のため皮膚からでも吸収されます。

そのため、有機溶剤を屋内で使用する場合は有機溶剤作業主任者を選任、氏名、職務の掲示がされている必要があります。有機溶剤区分は第1種、第2種、第3種に分けられます。保管や破棄についても厳重に管理されます。

エチルベンゼンなどの特別有機溶剤を含有(1%以上)の場合は特定化学物質作業責任者を選任する必要があります。規制となっていないもの、第3種だから安全という事はありません。

6年ほど前に大阪の印刷会社の従業員が相次いで胆管ガンで亡くなるという事件が起きました。地下の密室で洗浄剤として使われていた薬剤に1,2-ジクロロプロパン、ジクロロメタンという化学物質が使われていました。当時は、法律で規制されている薬剤ではなかったので換気も不十分、防護なども不十分の中で作業が行われれていたようです。調べていくと、常識では考えられない、かなり劣悪な環境で作業が行われていたようです。胆管ガンを17人が発症、9人が亡くなりました。20代で胆管ガンを発症した方もいました。
規制外だから安全という事はありません。有機溶剤の中には無臭の物もあります。

GHSという、化学品の危険有害性を世界的に統一した一定基準に従って分類、表示するマークがあります。これらを用いて災害防止、人の健康、環境の保護に役立てようとするものです。
これらのマークが表示されている薬剤には注意、近づかないようにしましょう。
岡部医院院長 岡部誠之介
日本医師会認定産業医
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posted by okabeiin at 08:32| 産業医

2018年08月08日

産業医講習会(産業医 犬山市 内科)

産業医講習会に出席してきました。日本医師会認定産業医は更新制なので定期的に講習会に出席する必要があります。診療の合間の気分転換にもなり、勉強になります。今回はメンタルヘルスについての話でした。

メンタルヘルス以外にもいろいろな話があって、大変興味深かったです。

医師法の第一条に医師は、医療及び保健指導をつかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとすると法律で定められています。

医師の仕事というと、外来診療、手術、救急外来などを思い浮かべることが多いと思いますが、その他にも、産業医、保健所、学校医、市町村の健診など公衆衛生についての仕事もあります。医師法について勉強になりました。

また、健康についても考えてみました。世界保健機関の前文に「健康とは、単に疾病や虚弱ではないというだけではなく、身体的、精神的、社会的に充分に良好な状態をいう」と書いてあります。

つまり、身体的、精神的、社会的に充分に良好な状態が健康だとすると、そのハードルは高いですよね。検査等に何も異常がないから、あなたは健康ですというのは少し違うのかもしれません。

もう少し考えてみると、健康に対して器質的、機能的、社会的な側面からアプローチしてみると良いのかもしれません。検査では特に異常はない(器質的)、何か身体活動を行う上で困ることがない(機能的)、仕事、家庭生活等で困ることがない(社会的)、これらが揃って健康といえるのかもしれません。

そう考えると健康な人って世の中にそんなにたくさんいるんですかという話になると思います。上記が揃っている人はほとんどいないと私は考えています。絶対に健康じゃないといけないという事ではなく、私のここは少し健康ではないな、気を付けようと思って生活をすることも大事なのではないかと考えます。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 08:25| 産業医

2018年06月16日

安全配慮義務と自己保健義務(産業医 犬山市 内科)

労働安全衛生法第六十九条には
1 事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない。(安全配慮義務)
2 労働者は、前項の事業者が講ずる措置を利用して、その健康の保持増進に努めるものとする。(自己保健義務)
とされています。

事業者と労働者の関係は
労働者→労務の提供、事業者→賃金の支払
労働者→自己保健義務(従業員自身が自分の健康に注意する)、事業者→安全配慮義務
という関係になります。

企業が行うべきこと(安全配慮義務)、社員が行うべきこと(自己保健義務)と考えてもらうと分かりやすいでしょう。しかしながら、「健康管理は自己管理」が大前提です。

健康診断で異常指摘されたが、医療に受診しない、過度な飲酒、喫煙は自己管理の問題です。自己保健義務は労働者としての義務なので注意しましょう。

健康診断で異常所見があると判断された労働者は、3カ月以内に医師等の意見を聞く(就業判定)、事後措置を行う必要があります。(法律で定められています)

就業判定は通常業務可、就業制限(就業場所の変更、労働時間の短縮等の配慮)、要休業に分けられますが、当該労働者の実状を考慮して、就業制限の実施は事業主が行います。
岡部医院院長 岡部誠之介(日本医師会認定産業医)
posted by okabeiin at 09:06| 産業医

2018年05月30日

作業管理について(産業医 犬山 労働衛生)

労働衛生の3管理というのがあり、作業管理、作業環境管理、健康管理というものがあります。

作業管理とは有害な作業、過重労働による健康への悪影響を防止・軽減するために作業時間、作業姿勢、作業方法などについて対策を講じることです。

事業者は労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない、と法律で定めれています。具体的には連続作業時間と休憩時間の適正化、作業量の適正化、作業姿勢の改善等です。

休憩時間は法律で決められており、使用者は労働時間が6時間を超える場合は最低45分、8時間を超える場合は最低60分の休憩時間を与えなければならないとされています。

また、作業姿勢改善も重要で、ポイントとしては
・立ち姿勢で作業を行う場合、前傾姿勢をなくす
・ねじり姿勢、ひねり姿勢をなくす
・作業面、作業台の高さを、作業者の肩からへそくらいまでの高さとする
・適正な作業域に作業対象物を置く(肘関節を中心として円を描いた面積内)
などがあります。

ディスプレイ、PC入力等の仕事はVDT作業として管理されます。VDT作業等では1連続作業時間は1時間以内が推奨されており、作業休止時間は10〜15分が推奨されています。一日作業時間も4時間以内が推奨されています。
岡部医院院長 岡部誠之介
posted by okabeiin at 18:04| 産業医

2018年05月17日

産業医についての勉強(犬山市 産業医)

産業医について昨年から労働安全衛生規則改正が改正されました。ポイントとしては
(1) 健康診断の結果に基づく医師等からの意見聴取に必要となる情報の医師等への提供
事業者は、各種健康診断の有所見者について医師等が就業上の措置等に関する意見具申を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を当該医師等から求められたときは、これを提供しなければならないこととする。

(2) 長時間労働者に関する情報の産業医への提供
事業者は、毎月1回以上、一定の期日を定めて、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間の算定を行ったときは、速やかに、その超えた時間が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報を産業医に提供しなければならないものとする。

(3) 産業医の定期巡視の頻度の見直し
少なくとも毎月1回行うこととされている産業医による作業場等の巡視について、事業者から毎月1回以上産業医に所定の情報が提供されている場合であって、事業者の同意がある場合には、産業医による作業場等の巡視の頻度を、少なくとも2月に1回とすることを可能とする。

2)の長時間労働者に関する情報の産業医への提供というのはとても重要で、週に40時間を超えた労働時間(時間外労働)が、月に100時間を超えた場合に、労働者の氏名及び超えた時間に関する情報を産業医に提供することが事業者には義務付けられています。
産業医としては一般的に時間外労働が100時間を超える労働時間は健康障害のリスクが高く、非常に危険な状態であると判断します。また、法律上は、時間外労働が100時間を超える場合は、本人の申し出があれば産業医等医師の面談が必要となっています。

最近では医師自体の過重労働が問題になっています。総合病院等では医師は当直、待機業務などをしている事が多く、月曜日〜金曜日が8時間労働で、平日に17時から9時までの当直を一回、休日に24時間当直を二週間に一回やると時間外労働は月に100時間をこえます。
当直は労働時間外に含まないと考える場合もあるようですが、病院内での責任者としての対応、救急患者等の診察は、常識的に考えて労働時間です。医師も自分の健康、労働時間を考える時代になってきているのだと考えます。
岡部医院院長 岡部誠之介(日本医師会認定産業医)
posted by okabeiin at 08:11| 産業医